突然、海外から問い合わせのメールが来た場合、どのように対応すべきか迷うこともあるのではないでしょうか。
グローバルビジネスが当たり前になった現代、国内市場でしかビジネスを行っていない企業でも、ふいに海外の企業から問い合わせが来たり、展示会で海外からの来場者と名刺交換したりということが起こりえます。そのような場合に備えて、英語のメールへの対応方法を知っておくと安心です。
この記事では、英語圏と日本の文化的な違いを挙げた上で、英語の問い合わせメールへの対応のコツや使えるフレーズを紹介します。
目次
日本と英語圏の文化の違い
日本と英語圏とでは、ビジネスコミュニケーションにおける文化的な違いがあります。ここでは、日本と英語圏のコミュニケーションスタイルの違いを見ていきましょう。
日本は礼儀を重んじ、背景情報などを細かく提示
日本のビジネスメールでは、礼儀や丁寧さが非常に重視されます。日本には古くから礼儀作法や丁寧さを重んじる文化があり、その文化が現代のビジネスシーンにも引き継がれているためです。
加えて、調和を大切にする文化も丁寧さが重視される一因となっています。丁寧なやり取りを心がけることで、ビジネスにおいても調和を保っているのです。
メールの冒頭で、相手への感謝の意を表す「お世話になっております」「ご連絡ありがとうございます」といった表現が多用されるのは、そのような文化の表れといえるでしょう。
また、問い合わせ内容に関連する前提情報(問い合わせの背景や経緯など)を詳しく説明したり、「〇〇するのは難しい」などの婉曲な表現を使ったりすることで、相手への配慮と誠意を示します。相手との信頼関係を築くのに役立ちますが、本題に入るまでに時間がかかることがあるのも事実です。
海外では結論と目的を明示することが大切
一方、英語圏のビジネスメールでは、ローコンテクスト文化の特徴が顕著に表れています。
ローコンテクスト文化では、言語的なコミュニケーションが重視され、明示的で直接的な表現が好まれます。結論や目的を明確に伝えることが重要視され、メールの冒頭で用件を簡潔に述べ、必要な情報だけを提示するのが一般的です。
例えば、”I am writing to inquire about…”(〜についてお伺いしたく存じます)や “Could you please provide me with information on…”(〜に関する情報を提供していただけますでしょうか)といった表現で、用件を明らかにします。
受信者は要点を速やかに把握でき、効率的なコミュニケーションが可能です。ただし、日本のようなきめ細やかな配慮に欠ける印象を与えてしまう可能性もあります。
このように、日本と英語圏ではビジネスコミュニケーションの文化に違いがあります。相手の文化的背景を理解し、適切なコミュニケーションを取ることがグローバルビジネスには欠かせません。柔軟に対応できる姿勢を身につけ、スムーズに意思疎通を図っていきましょう。
【パターン別】英語での問い合わせへの対応ポイント
ここでは、英語での問い合わせに関して、パターン別の対応ポイントを解説します。
パターン①:取引の問い合わせ
海外のお客様から寄せられる取引の問い合わせは、ビジネスチャンスの拡大につながる可能性があります。ここでは、取引の問い合わせへの対応方法について、詳しく見ていきましょう。
要望の確認、理解していることを示す
取引に関する問い合わせに適切に対応するためには、まずお客様の意図を正確に理解することが必要です。
問い合わせの内容を注意深く読み込み、要望を把握しましょう。理解した内容を簡潔にまとめ、お客様に伝えることで、認識の相違を防げます。
要望に対して簡潔な回答を示す
問い合わせの内容に対して、シンプルかつ明確な回答を提示することも大切です。要望の実現可能性や必要な期間、条件などを具体的に説明しましょう。
パターン②:技術的な問題に対する質問
ここでは、技術的な問題に対する質問への対応方法を紹介します。
不明点の整理と洗い出しがポイント
技術的な問題に対する質問に答えるためには、まず顧客の抱える不明点や疑問点を把握することが重要です。質問内容を丁寧に読み込み、顧客が求めている情報を的確に理解することが第一歩となります。
必要な情報が不足している場合は追加の質問をしたり、質問内容を簡潔にまとめたりするのも一つの方法です。
また、専門用語を使いすぎず、シンプルで分かりやすい言葉で説明することも重要です。顧客の不明点を一つ一つ解消し、質問者が自身で問題を解決できるようにサポートします。
パターン③:クレーム
クレーム対応は苦手意識を感じる方も多いはず。しかしクレームに上手く対応すれば、顧客満足度の向上にもつながるため、身につけておきましょう。
最初にお詫びを行う
メールの冒頭でお詫びをします。顧客の不満や不便を真摯に受け止め、誠意を込めて謝罪します。クレームに対して真摯に向き合う姿勢が、顧客の信頼につながるでしょう。
次回改善策を結論から提示する
謝罪の言葉を述べたら、問題解決のための具体的な改善策を提示しましょう。英語圏のビジネスコミュニケーションでは、結論から述べることが効果的とされています。そのため、まず今後の対応方針を伝え、その後に詳しい説明を加えるのが良いでしょう。
問い合わせメールへの返信に使える英語フレーズ集
ここでは、問い合わせメールの返信で活用できる英語のフレーズや例文を、パターンごとに紹介していきます。
パターン①:問い合わせ内容への確認や質問
問い合わせ内容の確認や、こちらからの質問の投げかけに使えるフレーズを以下で紹介します。
問い合わせ内容を確認するときに使える表現
Could you please confirm if our understanding is correct that the inquiry is regarding the possibility of selling our products in Taiwan?「弊社の製品を台湾で販売する可能性についてのお問い合わせと理解してよろしいでしょうか?」
(「regarding」の後に、先方の問合せ内容を記載します。)
「商品Aではなく、商品Bに関するお問い合わせで間違いありませんでしょうか?」
(「regarding」の後に、先方に確認したい内容を記載します。)
質問の整理に使える表現
Regarding your inquiry, we have a couple of questions.「お問い合わせの件に関して、いくつか質問がございます。」
Could you let us know which products(services) you are especially interested in?「ご興味のある製品(サービス)がございましたら、お知らせいただけますでしょうか。」
パターン②:問い合わせ内容への回答や提案
問い合わせ内容への回答に使えるフレーズを以下で紹介します。
問い合わせ内容への回答に使える表現
Currently, we do not do business overseas. However, we are very interested in exploring this opportunity. Could you give us two weeks to consider and respond?「当社は現在、海外でのビジネスは行っておりませんが、この機会を模索したいと考えております。検討して回答するのに2週間お時間をいただけますでしょうか?」
I am very sorry, but we do not ship internationally.「大変申し訳ございませんが、海外への発送は行っておりません。」
パターン③:クレームへの返信
クレームへの返信で使えるフレーズを以下で紹介します。
お詫びの表現
We sincerely apologize for any inconvenience.「ご迷惑をおかけしたこと心よりお詫び申し上げます。」
We deeply regret the inconvenience you have experienced.「ご迷惑をおかけしたこと深くお詫び申し上げます。」
対応策の提示に使える表現
To rectify this situation, we will be implementing the following measures:「この状況を改善するために、以下の対策を提案させていただきます。」
(「:(コロン)」の後を改行して、解決のための具体策を動名詞(動詞+ing)の形で記載します。)
「今後同様の問題が発生しないよう、弊社では手順書に追加する方針でございます。」
(「to」の後に動詞から始まる具体策を入れます。)
本文の末尾に記載するお礼表現
Thank you for bringing this matter to our attention.「お知らせいただき、ありがとうございます。」
Thank you for your valuable feedback. It will help us improve our services.「貴重なご意見を賜り、誠にありがとうございます。いただいたご意見は、今後のサービス向上に役立てさせていただきます。」
まとめ
英文での問い合わせ対応は、言葉や文化の違いからハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、英文メールの作成や返信は、グローバルビジネスの成功につながるスキルです。
本記事で紹介したコツやフレーズを実践し、英文メールの対応スキルを磨いていきましょう。
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