海外との業務において、1通のメールが1日分の成果を左右する──。
そんな環境では、1回1回のやり取りに、質とスピードの両方が求められます。
今回は、三ツ星ベルト株式会社のグローバル業務の現場における、
ID数・翻訳量無制限のAI自動翻訳ソリューション「FLaT(フラット)」の活用方法をご紹介します。
三ツ星ベルトは、伝動ベルトや搬送ベルト、高機能樹脂・ゴム製品の開発・製造・販売を通じて、自動車・建設・電子といった多様な産業を支えるメーカーです。
アジア、北米、欧州、中東などに営業や製造の拠点を持ち、2024年度の海外売上比率は54.3%。国境を越えたビジネスが日常である同社にとって、言語の壁を越えたスムーズなコミュニケーションは、重要な経営課題のひとつです。
目次
1通のメールで成果を引き出すために
三ツ星ベルトでは、社内のさまざまな部署において、AI翻訳が使われています。中でも、製品の輸出業務や海外拠点からの問い合わせ対応を行う生産本部 海外業務課は、日々の業務でAI翻訳を積極活用している部署です。
海外業務課では、各社員に担当拠点が割り当てられ、主に現地スタッフとのメールを通じたやり取りで、問い合わせ対応や納期調整などを行っています。担当拠点が多い社員の場合、繁忙期には1日に数十件の対応をすることもあります。
外国語学部出身だったり留学経験があったりなど、業務で外国語を使うこと自体には抵抗のない同課の社員たちにとっても、それだけのメールを一つひとつ自分で読んでいくのは、効率的とは言えません。届いたメールの内容をざっと把握したい時など、瞬時に日本語にしてくれるAI翻訳は大きな助けとなっています。
また、アメリカのように時差が大きく、営業時間の重なりがほとんどない地域とは、1日に1回のメールの往復が限界というケースも少なくありません。例えば朝に先方からのメール確認し、返信を送っても、それに対するフィードバックが来るのは翌日。つまり、1回のメールで相手の要望に的確に応えられるか、必要な情報を相手からどれだけ引き出せるかが、業務の進行を左右します。
海外業務課に所属する前田みゆさんは、ある時、先方からのメールに、確認したかった内容がきちんと含まれていなかったことをきっかけに、「こちらが欲しい情報を明確に伝えることの重要性」を痛感したといいます。自分の伝えたいことがきちんと伝わる英語表現になっているかを判断する上では、逆翻訳の機能が便利です。
前田さんがメールを作成する際には、相手に確認したい項目や提示すべき期限などをリストアップした上で英文を作成し、AI翻訳に入れて翻訳文とその逆翻訳結果を確認するようにしているとのこと。逆翻訳を活用することで、内容にズレがないか、指示内容は明確かなどのチェックがしやすく、精度の高いメール文を効率的に作成できるそうです。

「手作業の山」からの解放:作業工程を一変させたファイル翻訳
三ツ星ベルトでは、製品の注文書や技術資料、取引先から送られてくる質問状など、さまざまな業務資料にファイル翻訳が活用されています。
中でも、業務上で大きな変化があったのが、セキュリティやESGに関する質問状への対応です。
自動車メーカーの海外工場から、200項目近いセキュリティに関する質問がまとめられたExcelファイルが送られてくることがあります。これに対して、英語で回答を入力して返送する必要がありますが、内容は一目で理解できるものばかりではありません。求められている内容を関係者がきちんと把握するという意味でも、まず日本語に訳す工程が不可欠です。
ファイル翻訳が使えるようになる前は、Excelファイル内の質問文をコピーして翻訳ツールに貼り付け、訳された内容を見て日本語で回答を作成し、それをまた英語に翻訳してExcelに貼り付け直す──という、非常に手間のかかる作業が発生していました。
現在は、送られてきたExcelファイルをそのままファイル翻訳にかければ、即座に日本語版を作成できます。回答を入力し、再度ファイル翻訳で英語に変換して返送するだけ。返送前に、人による最終確認は必要ですが、それまでの細かい手作業の多くが不要になったことで、工数が圧倒的に削減されました。
全社員が安心して使えることで、生産性が飛躍的に向上
セキュリティの高さは、AI翻訳の活用範囲を大きく広げる鍵となっています。セキュリティの担保されたAI翻訳ツールが全社導入されていない企業では、
リスクを理解しないまま無料翻訳ツールを使ってしまっている状況が見られます。
情報漏洩につながる行為を避けるため、単語単位や一文ずつなど、部分的に無料翻訳ツールに入れているという人もいるでしょう。しかし、そういった作業は手間ですし、まるごと翻訳するのに比べると効率も悪いです。また、場合によっては日本語に翻訳された結果を見て、はじめて情報の機密性に気が付くこともあるでしょう。
三ツ星ベルトでも、「FLaT」導入前は、「お客様の情報は無料翻訳ツールに入れてはいけない」というルールが社内にあったものの、「ルールだけで守れるものではない」とも認識していたといいます。
高セキュリティ・ユーザー数無制限の「FLaT」の導入により、セキュリティが担保された環境で社員全員が翻訳できるようになったことで、こうした不安や手間は大きく軽減されました。セキュリティのことを気にせずに使えるからこそ、伝えたい情報の「質」や「わかりやすさ」に集中できるようになり、コミュニケーションの価値や生産性が高まったのではないでしょうか。
おわりに
「1回のやり取りを、どれだけ価値あるものにできるか」。
その積み重ねが、海外との信頼関係を築き、ビジネスのスピードを加速させていきます。
みらい翻訳の「FLaT」はこうした現場の課題をサポートする一つの手段として、確かな役割を果たしていました。
三ツ星ベルトにおける「FLaT」導入の背景や選定プロセス、導入効果などについては、 こちらのインタビューをご覧ください。