導入事例

シャドーITとAI自動翻訳 〜 各社事例から見るセキュリティと業務効率化の両立 〜

2024.09.12

近年、企業の情報セキュリティ対策が進む一方で、正式に認可されていないツールやサービスが社内で無断使用される「シャドーIT」が大きな問題となっています。たとえば、ファイル共有ツール、メッセージアプリ、生成AI、AI自動翻訳などは、非常に便利で使いやすいため、正式な承認を得ずに一部の社員が無断で業務に使用してしまうケースが発生しています。


中でも無料のAI自動翻訳ツールは、利用登録すら必要ないものもあり、文字数や機能に制限はあるものの、誰でも簡単に多言語への翻訳が可能です。その利便性や気軽さが裏目に出て、無料のAI自動翻訳ツールが孕むセキュリティリスクを意識することの無いまま、業務に利用してしまっている人もいます。また、情報システム部など社内のIT部門からは、どの部署の誰が使用しているのか、利用実態が見えづらくシャドー化しやすいツールとも言えます。


本記事では、セキュアで高精度なAI自動翻訳「Mirai Translator®/FLaT」を導入することで、シャドーITのリスクを低減し、同時に業務効率の向上も実現した企業の事例を紹介します。

シャドーITとして広がる背景:認識されにくい翻訳ニーズ

AI自動翻訳ツールがシャドーITとして蔓延する理由のひとつに、現場での翻訳ニーズが組織/企業の課題として十分に認識されず、正式なツールやサービスが提供されないことが挙げられます。

株式会社サンゲツでは、「ChatGPT」などの生成AIが登場したことを契機に、サイバーセキュリティ統括室を中心に、そのリスクについて議論がなされました。2023年6月にはガイドラインが策定され、無料のAIツールは原則利用禁止になりました。これにより 、それまで多くの社員が個人で使っていた無料翻訳ツールが使えなくなったため、今後の翻訳業務の対処方法について多くの問い合わせが寄せられ、はじめて社内の翻訳ニーズが浮き彫りになり、適切なツールを探す必要が生じたのです。

一方でパナソニック株式会社では、早い段階からセキュリティ要件が厳格に定められており、従業員が翻訳業務を行う際に、無料ツールの使用は認められていませんでした。社内の翻訳ニーズは、基本的には担当者のスキルでカバーしており、担当者だけで足りない場合は、翻訳サービス会社へ依頼する例もありましたが、費用や時間もかかります。シャドーITは予防できていたものの、適切なツールの提供がされていなかったため、業務効率には課題がありました。

セキュリティを評価された「Mirai Translator®」

みらい翻訳のAI自動翻訳「Mirai Translator®」は、セキュリティ面での信頼性や現場の翻訳ニーズに即したプランの提供により、多くの企業で高い評価を得ています。

三菱商事株式会社では、「Mirai Translator®」の、業務に関わる翻訳データがすべて国内サーバで処理され、翻訳後にデータが自動削除される点が評価され、導入が決定しました。その結果、企業情報の漏洩リスクを最小限に抑えながら、翻訳業務を安全に行えるようになったのです。

また、株式会社キトーも、翻訳量無制限の「FLaT」プランを利用することで、個別の無料翻訳ツールの使用を予防しています。アカウント数や翻訳量が限られた料金体系のAI自動翻訳ツールでは、アカウント数や翻訳量を抑える力学が働く傾向にあり、そこから溢れた人が、無料ツールを使いかねません。社員が無制限に翻訳ツールを使用できる環境を整えたことで、各人が独自に無料ツールを使用する必要がなくなり、結果としてセキュリティリスクの低減に成功しています。

翻訳業務効率の向上とシャドーITの排除

シャドーITを防ぐためには、ただセキュリティを強化するだけではなく、現場の業務効率を向上させることが重要です。適切なAI自動翻訳ツールの導入により、現場の社員が効率的に作業できる環境を整えることが、シャドーITの根本的な解決策となります。

ダイキン工業株式会社では、「Mirai Translator®」を導入することで、翻訳業務にかかる時間が1/5〜1/10に短縮されました。この結果、個々の社員が独自に無料ツールを使う必要がなくなり、業務のスピードも飛躍的に向上しています。同様に、デンソーでも、翻訳業務が迅速かつ正確に行えるようになり、社員が無料ツールを使うことなく、会社全体で統一された翻訳ツールを利用する環境が整えられました。

株式会社サンゲツでも、無料ツールの使用が禁止された後、「Mirai Translator®」を導入することで、翻訳業務に関する混乱が解消されました。特に、セキュリティに配慮した運用が可能となり、安心して業務を進められる環境が整えられたのです。

まとめ:AI自動翻訳がもたらすセキュリティと効率の両立

シャドーITは、企業にとってセキュリティリスクを伴うだけでなく、正式なツールと無断で使用されるツールの間での管理の煩雑さを引き起こします。これを解決するためには、企業全体で使える信頼性の高いツールを導入し、社員が自発的に使用できる環境を提供することが必要です。特に、翻訳業務は組織全体の課題として認識されづらいため、オフィシャルなツールとして有料のAI自動翻訳ツールが提供されておらず、シャドーITのリスクが高いカテゴリです。

「Mirai Translator®」は、そのセキュリティ水準と高い翻訳精度により、多くの企業で採用されています。さらに、翻訳業務の効率化を図ることで、企業全体の業務スピードを加速させ、セキュリティと業務効率の両立を実現しています。

シャドーITに不安を抱える企業は、無料のAI自動翻訳が孕むリスクの理解や利用実態の把握から始めてみてはいかがでしょうか。想定以上の利用状況に驚くことになるかもしれません。